あいのこ職人
撥選びのポイント
撥の形状、重さ、バランス、しなり、色、素材、組み合わせ、温度、湿度、さらには体調、感情など、微細な変化が音の違い、弾き心地に影響することをご存知の方は多いと思います。
地球上で誰よりも多くのアクリル撥を手作りしたと自負する、「あいのこ職人」グレッグ。
実際に自分で試し、比較し、全てがお互いに関連し影響し合い、変化する「音のバイブレーション」の面白さに魅了され、探求し研究を重ね続ける職人の視点から、撥選びのポイントをお伝えします。
<ポイント1 撥の重さ>
重い撥はクリアーで大きな音を奏でることができる一方で、手の大きさや握力、個人のレベルに合わないと糸のコントロールに無理な力が入り、手首や腕への負担が大きくなります。幅広く重さが選べて、握りの長さや形状も自由に選べるあいのこ撥は、お子様や初心者から、力強いサウンドや高度なテクニックを必要とするプロ奏者の方まで、色々なジャンルの方にお使いいただけます。
大きな音を出しやすい重い撥は、パワーとテクニックが必要です 。
ご自身の身体や演奏レベル、スタイルにあった重さの撥を選ぶ事で、楽しく心地よく、かつ美しい音色が奏でられます。
撥選びの中でとても重要な要因の一つは、撥の重さと錘の位置。
重い撥を使うと、撥の重さが叩く力に加わってクリアで大きな音を奏でられるという利点があります。
一方で、手の大きさや握力、ご自身のレベルに合わない撥を使うと、糸のコントロールに無理な力が入り、手首や腕への負担が大きくなります。
ベテランの方は 150g 以上の重い撥を好まれる事が多いですが、最近は早弾きしやすい軽めの撥を好まれるプロの方も増えています。
<ポイント2 錘の位置>
スムーズな撥捌きの為には、撥の錘も重要なポイントです。
あいのこ撥の錘の位置は基本的に真ん中です。
バランスよく仕上げてあるので、力の無駄がなく自然な動きで演奏できます。
現在お使いの撥の錘の位置により、重心の位置をご指定いただくことも可能です。
錘の位置が違うだけで、「持った感覚も弾いた感覚も全く違う!」と、みなさん驚かれます。< ポイント3 しなり>
「しなり」が、クリアで突き抜けるような気持ちの良いサウンドの秘密
象牙や鼈甲などの天然素材は、硬いけれど程よい沈みと跳ね返りのバランスで、独特のサウンドを醸し出すことができますが、天然素材なだけに、硬さの「調整」は難しいところがあります。
象牙も鼈甲も絶滅の恐れのある野生動物としてワシントン条約で国際取引が規制されていますし、動物愛護の観点からも代替品が必要となってきているのが現状です。
これまで、人工素材では天然素材のような「しなり」を出すことは難しいとされていました。
あいのこ職人の徹底的な音へのこだわりで研究を重ねた結果、アクリルをコントロールする削りを独自に開発しました。
グレッグの微細な感覚と探究心が可能にした、しなりの微調整は「あいのこ撥」ならではの技術です。
- プラスチックのような硬さの 撥先削りなし
- たたきスタイルの演奏に合うハード
- 硬めの鼈甲に近い グッド
- 柔らかめの鼈甲に近い エクストラ
- 鼈甲以上の柔らかさの ビヨンド
- 左右違う硬さを選べる コンビネーション
からお選びいただける、あいのこ撥。
左右違う硬さは、一本で二本分楽しめます (^^)
硬い撥、柔らかい撥、それぞれの特徴を挙げてみます。
<プラスチックのような硬い撥の特徴>
+ 叩きの音、アタック音や大きな音を出すのに適している
+ 丈夫で多少荒っぽい扱いをしても大丈夫という安心感
+ 耐久性があり、撥先の減りは少なめ
ー 沈みが少ない分 クリアで繊細な音を出すのは難しい
ー 振動が手首にダイレクトに響くので、手首への負担が大きい
ー 疲れを感じやすい
<柔らかい撥の特徴>
+ 沈みがあるので、力がなくても良い音が出せる
+ すくいやすいので、誰にでも弾きやすい
+ 振動が程よく吸収されるので、手首への負担が少ない
+ 疲れにくい
+ 繊細でクリアなサウンドで、西物の民謡や唄付けに最適
ー 叩きの音量は硬い撥に比べると小さい
ー どうやっても綺麗な音が出るので、曲に変化を付けたり雑味を強調するには、テクニックが必要
ー 硬い撥に比べて、撥先の減りが早い
ー 比較的耐久性に脆い
© 2021 Greg Matsuura - Ainoco Inc.